知らない言葉は聞き取れない

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こんにちは、テープ起こし アトリエ・ソレイユの北村です。
人間は知らない言葉を聞き取ることは困難です。
これはテープ起こし業界では当たり前のように言われていることです。

例えばマーケティング用語に「SWOT(スウォット)分析」という言葉があります。
今や、事業戦略ではおなじみの言葉。
「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」
この4つの軸から組織を評価する手法のこと。

私がテープ起こしを始めてまだ駆け出しだったころ、この言葉を聞き取れませんでした。
「えっ、何?  ソットブンセキ?」
よほど滑舌良く、ゆっくり発音していただければ聞き取れたかもしれませんが、そういうわけにはいきません。
再生速度をスローにして、何度も何度も繰り返し聞いても、恥ずかしながら降参でした。

また、医療分野で思い出すのは「ウォークインの患者さん」という言葉。
これは救急車で搬送されてくるのではなく、自力で(タクシーや自家用車で)救急外来へ来る患者さんのこと。
駆け出しだった私は「ワーキングの患者さん? ワキンの患者さん?」などなど、頭の中で取っ散らかりました (^^;)

これらはほんの一例ですが、知らない言葉は聞き取れないのです。
そうなると、ネットで検索して調べるしかなく、あれやこれやと予想しながらの「検索の旅」に出る。
それに費やす時間を考えると、言葉は一つでも多く知っておいて損はありません。
どんな言葉でも「知りたい!」「知っておきたい!」と興味を持ち、頭の隅っこにインプットしておきたいのです。

それに関連して・・・

医療ドラマは字幕を大いに活用する
私は医療ドラマが大好きで、20年以上前、まずは海外ドラマの『ER緊急救命室』で目覚め、
その後は『グレイズ・アナトミー 恋の解剖学』にどっぷりハマりました。

日本の医療ドラマも片っ端から見ています。
ちなみに、国内のドラマでは『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が一番好きです!
山Pさんが好きってこともありますが、このドラマは医療シーンが細部までリアリティーにあふれていて、
すべてのシーズンやエピソードが人間ドラマとしても本当に感動ものばかり。

でも、せりふがサラッと早口だと聞こえなかったり、聞き逃すことも結構あるんですよね。
「えっ、何ていう病名?」「薬(器具)は何を使うって言った?」「どんな処置をするって言った?」など、
特に医療用語に関する言葉は字幕で必ず確認しています。
言葉を目で見て、「字」として得た情報は、その言葉の意味も含めて理解できて、頭の中にインプットしやすいからです。
「受傷機転」とか「減張切開」とか「正中切開」とか、『コード・ブルー』で覚えました。

弊所は医療分野のご依頼が多く、ドクターたちの研究会やカンファレンスを起こすことも結構あり、
その中では、病名、薬品名、検査名、検査や手術の手技のお話が、ごく普通に飛び交います。
そういうとき、こういった付け焼き刃の知識でも役に立ったり、イメージもつきやすい。
もちろん作業PCには医学辞書を入れていますが、辞書で変換する前に入力できたりすることも。
そんなわけで、医療ドラマを見るときは字幕を大いに活用しています。

「言葉」に対して貪欲であり続けたい
テープ起こしは、さまざまな分野のお話を聞かせていただきます。
それが、この仕事の最大の魅力と醍醐味です。
長年経験を積んできた今でも、まだまだ学ぶことばかりで、勉強を怠たれません。
そして、専門用語に限らず、世の中の言葉も時代の変遷とともにどんどん変化しています。
いつ、どの分野のご依頼を頂いてもいいように、言葉に対して貪欲であり続けたいと思っています。

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